Dawid Planet:名言で読み解く“Mini People”シリーズ

“The greatest loss”, 2020, ©Dawid Planeta


先日、ポーランド出身のアーティスト、ダヴィッド・プラネタ(Dawid Planeta)のインタビューをお届けしましたが、今回彼の出世作 “Mini People” シリーズをさらに深掘りしたいと思います。

“Mini People”シリーズは、ダヴィッド自身が患ったうつ病を通じて経験した精神的な旅を可視化した作品群です。作品のモチーフ自体すでにユニークですが、彼の創造物にはもうひとつ他には見られない特徴があります。それは各作品に必ず作家やジャーナリスト等の名言が添えられているということです。作品に添える名言についてダヴィッドは以下のように述べています。

「作品完成後、その作品が伝えようしているメッセージを強く感じるのですが、それを言葉にするのは難しいです。そのため、私は適切な言葉を探し始めます。何百もの名言を読みながら、最も重要と思われるキーワードに絞り込んで、適切なものを探していきます。しっくり来る言葉を探す行為は、私に充実感を与えてくれます。作品を説明するための名言や作品で表現されていることを繰り返すような名言は求めていません。作品の物語を継続させたり、発展させたりする名言を私は求めています。故に作品のメッセージに当たらずとも遠からずのものでなければならないのです。作品に名言を添えることで、互いが相殺し合う関係ではなく、相乗効果を生み出す関係を作り出したいと思っています。」

ダヴィッドによる “Mini People”シリーズ5点を名言とともに以下に紹介させていただきます。名言に加えてダヴィッドの発言も参考にして、作品に対するあなた自身の解釈を導き出してみるのも面白いかもしれません。是非挑戦してみてください。

“The greatest loss”, 2020, ©Dawid Planeta

The greatest loss
死は人生における最大の損失ではない。最大の損失とは、生きながら自分の内面が死に絶えることだ。- Norman Cousins

“Deep Forest”, 2017, ©Dawid Planeta

Deep Forest
決して森の奥深くに入ってはいけない。そこには多くの危険があるからだ。そこは暗闇と明るさが共存し、それらはあなたの魂を惑わすだろう。- Robert Beatty

“No Choice”, 2017, ©Dawid Planeta

No Choice
選択の余地はない。愛する前にあなたは自我を捨てなければならない。- Kamand Kojouri

“My Own Enemy”, 2017, ©Dawid Planeta

My Own Enemy
自分自身に深く入り込めば入り込むほど、自分の敵は己であることを認識する。- Floriano Martins

“The Miracle”, 2017, ©Dawid Planeta

The Miracle
最大の奇跡に最も近づいた時、あなたは最大の敵と対峙するだろう。- Shannon L. Alder


 

 

 

 

 

ダヴィッド・プラネタ(Dawid Planeta)
ポーランド出身のアーティスト、グラフィックデザイナー。“Mini People in the Jungle”シリーズは、アーティスト自身が患ったうつ病を通じて経験した精神的な旅を可視化した作品群。同シリーズについて、プラネタは「自己探求のために暗闇と混沌の中に落ちていく男の物語」と言う。

https://www.instagram.com/minipeopleinthejungle/
https://www.behance.net/dawidplaneta