赤池完介: 表現の幅を広げるカスタムスニーカー

ステンシル(型紙)とエアブラシを使ってスニーカーをカスタムする赤池  ©Kansuke Akaike


5月初旬、静岡県南伊豆を拠点に活動するアーティスト赤池完介によるプロジェクト「KANSKKICKS KUSTOMIZE」が、GQ JAPANのYoutube番組「SNEAKER HOLICS」にて特集されました。それに伴い、同プロジェクトと併せて、赤池が主にデザインを施しているスニーカーAir Force 1について記載させていただきます。

 

表現対象としてのNike Air Force 1


今から38年前の1982年に発売されたバスケットシューズNike Air Force 1。元々家電製品や車を手掛けていたプロダクトデザイナー、ブルース・ キルゴア(Bruce Kilgore)によってAir Force 1はデザインされました。後にブルースは、Air Jordan IIやNick Sock Racerなどのデザインも担当しました。

洗練されたデザインは勿論のこと、シューズとしての機能性も革命的でした。Air Force 1登場以前、バスケットボールをする人たちの中には、シューズのクッション性を補完するため、靴下を3、4枚重ねて履く人もいました。Air Force 1の登場とともに、靴下を重ね履きしプレーする人たちは、めっきり見なくなったと言われています。

1980年代中期、米国のバルチモアにある地元小売店3店が、Nikeと手を組み、過去に例を見ないプロジェクトを実施します。「The Color of the Month Club」と題されたプロジェクトは、12種類の色味のAir Force 1を毎月発売するといったものでした。色味を変えた同型のシューズが次々に発売されることは前例のないことでした。

これら2つのエピソードから、Air Force 1がいかに革命的なバスケットシューズであったかを認識することができます。現在Air Force 1は、スニーカーをカスタムするうえで、欠かすことのできない表現対象となっています。Air Force 1は、アーティストに斬新なインスピレーションを与えるとともに、多種多様な個性を容易に受け入れ生かすことのできる、他に類を見ないシューズと言えるのではないでしょうか。

“KANSKICKS KUSTOMIZE, AF1, BW, Dot, Stripe”, 2020,  ©Kansuke Akaike

 

表現の幅を広げたカスタムスニーカー


2000年初頭より赤池完介は、ステンシル(型紙)やエアブラシ、ローラーを使って、スニーカーにデザインを施してきました。カスタムスニーカーを手掛けるようになったきっかけは、ステンシルのワークショップ開催時に一人のお客さんがAir Force 1を持ち込んだことに始まります。スニーカー、特にAir Force 1という表現対象は、赤池に大きな刺激を与え、アーティストとしての表現の幅を拡大する機会を創出しました。また、表現の幅の拡大は、アート作品の制作にもよりよい効果を生み出しました。

アート作品と同様にカスタムスニーカーも、完成に至るまでには、多くの時間と労力を要します。依頼者から挙げられた完成イメージのキーワード(例:カッコいい、かわいい)をもとに頭の中でイメージを構築し、そのイメージをステンシルとエアブラシを使って視覚化していきます。カスタムスニーカーを製作するうえで、赤池が特に意識していることは、依頼者の想像の域を超えたデザインを施すことです。予定調和を壊し、過去に目にしたことのない格好良さや美しさを内包するカスタムスニーカーを提示するということです。

Nike Air Force 1に留まらず、現在赤池はadidasのスタン・スミスやVansのスリッポン等、様々なスニーカーを表現対象としています。赤池にスニーカーをカスタムしてもらいたい、もしくは興味がある方は、彼のInstagram宛てにDMを送っていただくと詳しい情報を知ることが出来ます。近日中に赤池のアート作品を発売する予定なので、そちらのほうも楽しみにお待ちいただけたら嬉しいです。

“KANSKKICKS KUSTOMIZE, AF 1, Colors, Dot, Triangle Full Customize”, 2020,  ©Kansuke Akaike

 

 

 

 

 

赤池完介(Kansuke Akaike)
1974(昭和49)年京都生まれのアーティスト。繊細な写実表現が特徴的なステンシルアートを国内外の個展・グループ展で発表。2007年ブラジル・サンパウロのGeleria Deco で“犬とドライブ”と題した個展を開催。2015年より活動拠点を東京から南伊豆に移す。2019年海ゴミ問題を斬新な切り口で描いた個展“みんなのうみ”を茅ヶ崎で開催。その他にも「車椅子バスケットボールWORLD CHALLENGE CUP 2018」や「Hi-STANDARD x スカパー!#playthegift キャンペーン」のポスターを手掛けるなど、活躍の場を広げている。2020年4月、新型コロナウィルスの影響により、自宅で自粛を余儀なくされる人たちへ向けたプロジェクトStay Home Art Projectを開始。一般募集した“描いて欲しい著名人”のポートレイトをSNSに日々投稿中。

http://akaikekansuke.com/
https://www.instagram.com/kansukeminamiizu/